3分でわかる!仕訳帳をやさしく解説します。
仕訳帳について、本を出版している著者がやさしく解説します!
今、ビジネスの現場で、ペーパー―レスは常識です。
さらに、経理担当者が会計ソフトに入力すれば、仕訳から試算表まで簡単に作成されるのも常識です。
しかし、作業が簡単になったことで、見落とすこともなります。
たとえば、税務調査では、署員が、総勘定元帳の内容チェックをするのは必須です。
ふだん、総勘定元帳に注意を払う人は、少ないでしょう。
しかし、この総勘定元帳のしくみを知っておかないと、税務署職員との交渉ができないのも事実です。
このサイトは、本格的な簿記学習が目的ではありません。
このため、帳簿組織の詳細は記述しません。
しかし、知っておくべき常識の範囲で、帳簿組織である、仕訳帳、総勘定元帳を解説します。
この記事では、初心者でも仕訳帳、総勘定元帳が、よくわかるようにやさしく解説していきます。
この記事でわかること
- 仕訳帳、総勘定元帳のしくみがわかります
- 仕訳帳から総勘定元帳までのながれを理解できます。
伊達敦が、仕訳帳、総勘定元帳をわかりやすく解説します。
・商社勤務20年の実務家です
・出版した決算書関連のビジネス書は、海外でも翻訳されています
・主な著書「まだ若手社員といわれているうちに知っておきたい会社の数字」
講談社刊
・中小企業研修協会&中小企業コンサルティング事務所代表
それでは、仕訳帳、総勘定元帳について解説していきます。
仕訳帳とは、仕訳を整理するノートです。
日々の仕訳は、ルールに基づいて整理する必要があります。
仕訳を日付順にきれいに整理する帳簿を「仕訳帳」といいます。
物事というのは何事もきれいに整理することでスムーズにいきます。
反対に机の中がきれいに整理されていた学生というのは、成績が良かったはずです。
これは、社会人でも変わりません。
優秀な社員というのは、いつも机がきれいに整理されているものです。
何かとトラブルの多い社員は、机も乱雑で整理されていないケースが多いのです。
簿記のしくみも同じです。
仕訳帳という整理整頓するノートがあるために、簿記のしくみがキレイに整理されます。
基本的な仕訳帳の記載例を紹介しておきます。
仕訳が、どのように仕訳帳に記載されているかのイメージをつかんでください。
□仕訳帳から仕訳帳への転記イメージ
総勘定元帳とは、勘定科目ごとに整理されたノートです。
簿記の勘定科目を調べるとき、さまざまな勘定科目がごちゃまぜでは、見づらいです。
さらに、あとからチェックするのも大変です。
このため、勘定科目ごとにきれいに整理しておく必要があります。
この勘定科目ごとにきれいに整理された帳簿を「総勘定元帳」といいます。
総勘定元帳とは、仕訳帳から総勘定元帳へ転記した勘定科目ごとのノートです。
どのように仕訳帳から総勘定元帳へ転記されるのかイメージをつかんで下さい。
たとえば、学生時代、国語や数学あるいは社会など教科ごとノートをつくったはずです。
1冊のノートに国語や数学をごちゃまぜにしたノートはつくらなかったと思います。
いろいろな教科をたった一冊のノートに書いたのでは、見づらいです。
また、あとから確認するとき何が書いているのかわかりづらくなります。
やはり、ノートは1教科1冊ずつ作るのがベストです。
これは、簿記においてもまったく同じです。
□ 仕訳帳から総勘定元帳への転記事例
以下、仕訳帳から総勘定元帳への記入の仕方を簡単に解説します。
・転記とは何か
まず、はじめに「転記」の意味を知っておく必要があります。
「転記」とは移転(・)記(・)入の略と考えてください。
つまり、仕訳帳から総勘定元帳へ「移転させ記入する」という意味です。
・仕訳帳から総勘定元帳への具体的な転記事例をみる
それでは、仕訳帳から総勘定元帳へ転記の例をみていきましょう。
まずは、[例1]の基本パターンです。
4月1日の取引は「商品40万円を掛けで仕入れた」というものです。
この取引を仕訳帳から総勘定元帳へ転記します。
・「転記」は単純明快
転記の基本は、単純明快です。
「仕入は、仕入元帳へ」、「買掛金は、買掛金元帳へ」転記するだけです。
4月1日の取引を仕訳帳から総勘定元帳へ転記すれば、[例1]の仕入元帳と買掛金元帳のようになります。
総勘定元帳の見方
転記された総勘定元帳の見方をみていきましょう。
・「摘要欄」について
「摘要欄」は、仕訳帳の相手勘定を記入します。
仕入元帳をみて下さい。
4月1日の仕入元帳の摘要欄には「買掛金」と転記されてあります。
これは、 4月1日におこなった仕訳で、仕入の相手勘定が「買掛金」であることを意味します。
この点は、慣れるまで混乱するかも知れません。
はじめは注意しながら転記していきましょう。
つぎに買掛金元帳をみてください。
買掛金元帳の摘要欄には、「仕入」と転記されています。
4月1日の取引における買掛金の相手勘定が「仕入」だからです。
・「借/貸」欄について
残高が「借方」側か、「貸方」側の残高なのか、を判断するものです。
仕入元帳は、「借」と記入されています。
したがって、「借方」側の残高であることがわかります。
買掛金元帳をみてください。
ここでは、「貸」と記入されています。
したがって、「貸方」の残高であることがわかります。
つぎに[例2]をみていきましょう。
要領は、[例1]と全く同じです。
この[例2]のポイントは、売掛金元帳の「残高」の見方になります。
・総勘定元帳の「残高」の見方について
売掛金元帳をみて下さい。4月15日の残高が200,000円となっています。
これは、4月4日にあった売掛金残高800,000円が、4月15日に600,000円分が
回収されたため、4月15日の時点において残高が200,000円であることを意味します。
800,000-600,000=200,000 というわけです。
総勘定元帳によって、仕訳帳では、バラバラだった勘定科目が、
日付順、勘定科目ごとにきれいに整理されることになります。
また、勘定科目ごとの残高もつねに把握できることになります。
さらに簿記の理解が深める記事をご用意しました。
こちらの記事です
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仕訳帳、総勘定元帳のまとめ
- 仕訳帳とは、仕訳を整理するノートです
- 総勘定元帳とは、勘定科目ごとに整理されたノートです