3分でわかる!貸借対照表の負債をやさしく解説します。

決算書である貸借対照表の負債について、
商社勤務の実務家がやさしく解説します

負債は、簡単にいうと、会社の借金のことです。負債は、貸借対照表に記載されます。
住宅ローンや車のローンなど自分の借金と照らし合わせて、負債をイメージしやすいと思います。
でも、負債について、具体的に説明できるでしょうか?
この記事では、初心者でも会社の「負債」が、よくわかるようにやさしく解説していきます。

この記事でわかること

  • 負債の基本がわかります
  • 負債は2つに区分されます
  • 負債のおもな勘定科目がわかります

 貸借対照表に記載される「負債」は、大きく2つに区分されます。
 流動負債と固定負債の2つです。
 負債は、借入金が記載されるため、まさに会社の借金を知ることができます。

それでは、負債について解説していきます。

負債とは「会社の借金」です。

借金というものは、借りたお金ですから、いずれ返済しなければなりません。

ところで、

「借金はない方がよい」

と多くの人は考えているのではないでしょうか?

借金には、そんなマイナスイメージがあります。
しかし、私たちの身近な借金を考えてみると、マイナスイメージばかりでもありません。

たとえば、マイホームを建てる場合、多くの人は銀行などへローンを申し込みます。
つまり、借金をするわけです。
借金をすることで、手持ち資金はなくてもマイホームを建て、快適な生活ができるわけです。

会社の「負債」も同じようなことがいえます。

たとえば、起業したばかりの時期は運転資金が不足しがちですし、既存の会社であっても新規の事業をおこなうときには、多くの資金が必要になります。
この場合、銀行などからの融資を受けること—すなわち、借金をするのは、当然でしょう。
借金によって、資金を充実させ新規事業などに積極的に投資ができるのです。

負債は、流動負債,固定負債の2つに区分されます

負債は、大きく2つに分けられます。
「流動負債」「固定負債」の2つです。

              負債を分類する

 負債流動負債
固定負債

流動負債は、すぐに支払うべき「借金」です

まず「流動負債」から解説していきます。

これは、『流(なが)れ動く』負債ということです。
流れ動くとは、増えたり減ったりする変動が大きいということです。
つまり、流動負債とは、変動の大きい借金というわけです。
流動負債の中身は、下記のようなものです。

  • 支払手形
  • 買掛金
  • 短期借入金
  • 未払金など。

固定負債は、支払時間に余裕のある「借金」です

つぎに「固定負債」です。

これは、「固(かた)く、定(さだ)まった負債」ということです。
たとえば、銀行などから長期的な融資を受けている借入金です。
つまり、借金の返済に期間が時間的に余裕がある負債と考えるとよいでしょう。
固定負債は下記のようなものです。

  • 長期借入金
  • 社債など。
    ※ 社債とは、会社が、社債券という有価証券を発行して資金調達するもの。

負債の分類のまとめ

  • 負債とは、会社の借金です
  • 負債は、流動負債と固定負債に区分されます
  • 負債のおもな勘定科目は、つぎのとおりです
項目 内容
流動負債 支払手形・買掛金・短期借入金・未払金
固定負債 長期借入金・社債

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