3分でわかる!当期純利益をやさしく解説します!
当期純利益について、
商社勤務の実務家が、やさしく解説します
当期純利益は、会社が1年間に稼いだ最終的な利益です。
損益計算書の最後に表示されることになります。
いわば、利益の最終的なゴール地点!
損益計算書に表示される「当期純利益」は、会社が稼いだ最終的な利益のゴールです。
これまで、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益と学んできました。
これらは、最終的に当期純利益に落ち着きます。
この記事では、初心者でも当期純利益が、よくわかるようにやさしく解説していきます。
この記事でわかること
- 当期純利益の基本がわかります
- 法人税等の意味がわかります
それでは、当期純利益について解説していきます。
当期純利益とは、会社が最終的に稼いだ利益です
税引前当期純利益から法人税や都道府県税などを差し引いて、当期純利益が計算されます。
税引前当期純利益―法人税等=当期純利益
当期純利益で、その会社が一年間でどれだけの利益を稼いだのかが分かります。
当期純利益を見ることではじめて、会社の最終的な利益がわかります。
つまり、利益のゴールといえます。
A社の損益計算書
税引前当期純利益 140
法人税等 70
当期純利益 70
当期純利益と経常利益を見るポイントは?
経常利益は、会社の営業利益に受取利息などの営業外収益を加え、支払利息などの営業外費用を差し引いた会社の事業全体の利益を表しています。
一方、経常利益に特別利益・特別損失を加減算し、そこからさらに税金を差し引いた利益が当期純利益です。
臨時的な損益も含め最終的に会社に残る利益を表しています。
一年間の事業の収益を知る場合は、経常利益をチェックし、会社としての損益を把握するなら当期純利益を見ます。
しかし、どちらかの利益をそれぞれ把握するのではなく、両方の利益をバランスよく知ることが大切です。
当期純利益と法人税等について
税引前当期純利益から法人税等を差し引いて、当期純利益は計算されます。
当期純利益とは、会社が、最終的に稼いだ利益です。
会社を経営していくうえで、税金の知識は避けてとおれません。
ここでは、法人税等について、簡単に説明していきます。
法人税等とは、法人税、法人住民税、法人事業税の3種類のことです。
以下、簡単に紹介します。
法人税等=法人税+法人住民税+法人事業税
- 法人税(法人所得税)―会社の所得に対して課税される国税です。
法人税の税率は、資本金や所得金額によって異なります。
- 法人住民税―会社の事業所がある地方自治体に納付する地方税です。
会社という法人も地方自治体の公的サービスを享受しているという観点から、納付する義務を負います。
法人住民税は、法人税額に住民税率を乗じて計算する「法人税割」と資本金などの金額に応じて課税される「均等割」の合計になります。
- 法人事業税―法人事業税は、地方自治体から事業を営んでいるに対する応分の負担を課せられる地方税です。これは、所得に対して課税される「所得割」が基本となる地方税です。
事例で、経常利益と当期純利益の相違点を考える
- 経常利益が赤字で、当期純利益が黒字のケース
本業である事業は不振であるが、臨時的な収益によって、黒字になった。経常利益が赤字である以上、経営状況は危険である。
- 経常利益が黒字で、当期純利益が赤字のケース
当期純利益が赤字、つまり当期純損失だが経常利益が黒字である。
本業である事業は黒字のため、今後、業績が好転する見込みはある。
一年間の事業の収益を把握するなら経常利益をチェックする。
会社としての最終的な損益を把握するなら当期純利益をチェックする。
【貸借対照表】についてもっと詳しく知りたい人のために、わかりやすい解説をした記事をご用意しました。
こちらをご参照ください。
参考記事
↓
【速攻チェック 当期純利益編】
【問題1】以下の損益計算書から当期純利益(①)を計算しなさい。
損益計算書
税引前当期純利益 | 10,000 |
法人税等 | 4,000 |
当期純利益 |
( ① ) |
【問題2】以下の②に入る語句を記入しなさい。
税引前当期純利益ー( ② )=当期純利益
【解答①】 6,000 計算式 10,000ー4,000=6,000
【解答②】 法人税等
当期純利益のまとめ
- 当期純利益とは、会社が最終的に稼いだ利益です
- 法人税等の税金を支払ったあと、最終的に会社に残る利益が当期純利益です