3分でわかる!売上総利益をやさしく解説します
売上総利益とは何か?
商社勤務の実務家がやさしく解説します
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損益計算書に記載される5つの利益のうち、売上総利益は、もっとも重要な利益です。
なぜ、もっとも重要な利益なのか?
その大きな理由の一つに、売上総利益が、会社にとって、もっとも基本となる利益である、
ということがあげられます。
この記事では、初心者でも売上総利益が、よくわかるようにやさしく解説していきます。
この記事でわかること
- 売上総利益とは何か?売上総利益の基本がわかります。
- 売上総利益の計算がわかります。
- 売上総利益の改善方法が学べます。
- 簡単な売上総利益のチェック問題が解けます。
実務で、損益計算書をチェックするときの大きなポイントのひとつが、売上総利益になります。
売上総利益は、会社の根幹となる利益になります。
売上総利益が、赤字では、そもそも事業が成り立っていないと判断できるからです。
それでは、売上総利益について解説していきます。
売上総利益とは、会社のもっとも基本となる利益です
売上総利益とは、商品力やサービス提供力によって、稼いだ利益のことです。
言い換えますと、商品やサービスにかかる売上高からそのコストを除いた利益です。
売上総利益は、会社の基本的利益かつ商売の基礎となる利益です。
売上総利益は、粗利(あらり)ともいわれます。
なお、ここでいう商品力やサービス提供力とは、
「商品やサービスの魅力によって利益を稼ぎ出す力」と言い換えることができます。
売上総利益の計算式は、以下のとおりです。
売上高—売上原価=売上総利益
たとえば、A社が、商品を800円で仕入れ、1,000円で売ったとします。
このときのA社の損益計算書は、つぎのとおりです。
A社の損益計算書
売上高 1,000
仕入高 800
売上総利益 200
売上高から仕入高(売上原価)を差し引き、200円の売上総利益が計算されています。
売上総利益によって、商品の売上で、いくら利益を稼いだのか、がわかります。
このため、会社のもっとも基本となる利益といえます。
売上総利益の黒字は、事業継続のための大前提である
繰り返しになりますが「売上総利益」は、会社のもっとも基本となる利益です。
会社は、この売上総利益から社員のお給料やオフィス賃借料、接待交際費に代表される営業の諸経費を
支払うことになります。
このため、売上総利益が十分に稼げない会社や売上総利益が赤字である場合、大変危険です。
すなわち、会社の事業そのものが存続の危機に瀕していることになります。
さらに言えば、基本的な事業モデルから利益が稼げていない状態です。
つまり、事業モデルそのものに問題がある状態である、と判断できます。
売上総利益をイメージしてみる
売上総利益は、つぎのようなイメージで考えると理解しやすいかも知れません。
まず、リンゴやみかんをイメージしましょう。
これらを食べるときは、皮を剥きます。
赤いリンゴの皮、オレンジ色のみかんの皮です。
そうすると、おいしい果実が出てきます。
このおいしい果実こそが「売上総利益」というわけです。
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売上総利益の改善方法は、大きく2つあります。
会社にとって、重要な売上総利益ですが、この売上総利益が悪化した場合の改善方法はあるのでしょうか?
残念ながら、急速に改善する特効薬はありませんが、地道に改善する方法はあります。
ここでは、売上総利益の典型的な改善方法を紹介します。
ポイント1 商品やサービスの価値を高め、単価を上げる
売上総利益は、商品やサービスにかかる最低限のコストを除いた会社の最も基本となる利益です。
品質とサービスを上げ価値を高め、「高くてもこの商品を買いたい」と消費者に思ってもらえれば、原価に利益分を上乗せして単価を上げることができます。
その商品の希少性や特異性、独自性などをアピールすることで、他の商品との差別化が図れると効果的です。
ポイント2 売上原価を下げる
メーカーなど製造業をイメージするとわかりやすいかも知れません。
製造や加工にかかる工程を削減したり、作業方法を変更したりするのも有効です。
また、小売業の場合は、仕入業者の仕入単価見直しがあげられます。
長い付き合いのある業者の提示単価を慣習としている会社もありますが、定期的に見直すことは非常に大切です。
売上総利益は会社の基本的利益であり、商売の基礎です。
売上総利益を改善するうえで重要な【売上高総利益率】についてもっと詳しく知りたい人のために、わかりやすい解説をした記事をご用意しました。
こちらをご参照ください。
参考記事
↓
【速攻チェック問題 売上総利益編】
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【問題1】以下の損益計算書から売上総利益(①)を計算しなさい。
損益計算書
売上高 | 100,000 |
売上原価 | 80,000 |
売上総利益 |
( ① ) |
【問題2】以下の②に入る語句を記入しなさい。
売上高ー( ② )=売上総利益
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【解答①】 20,000 計算式 100,000ー80,000=20,000
【解答②】 売上原価
【ちょっとした豆解説】
売上高から売上原価を差し引いた数字が、売上総利益です。
この売上総利益の確保が、事業存続の根幹になります。
しかし、リアルな問題として、事業の存続を目指す企業にとって、売上総利益の確保は当然といえば、当然のことです。
問題は、その先です。
確保した売上総利益の範囲内で、人件費や事務所経費である販売費や一般管理費が支払われているか、ということです。
決算書は、そんなに単純ではないのです。
売上総利益のまとめ
- 売上総利益は、会社存続のためのもっとも基本となる利益である
- 売上総利益率の計算式は「 売上高-売上原価=売上総利益 」 である
- 売上総利益の改善方法は、商品やサービスの単価を高め、単価を上げること。
そして、売上原価を下げることである