3分でわかる!利益率と原価率をかわりやすく解説します!

利益率と原価率について、
商社勤務の実務家がやさしく解説します


利益率と原価率は、ビジネスで、必ず知っておくべき知識です。
これらの言葉をはじめて聞いたという人は少ないと思います。

この機会に基本知識である利益率と原価率をおさらいしましょう!


この記事では、初心者でも利益率と原価率が、よくわかるようにやさしく解説していきます。

この記事でわかること

  • 利益率の基本がわかります
  • 原価率の基本がわかります

それでは、利益率と原価率について解説していきます。

利益率と原価率とは何か

利益率とは、売価に占める利益の割合です。

利益率という会計知識は、ビジネス実務で、非常によく使う言葉です。
この機会にしっかり覚えておきましょう。

    利益率(%)=利益÷売価

「利益率20%で売価を決定せよ!」

上司からこのような指示があった場合、あなたはどのように売価を計算しますか?

具体的に考えてみましょう。

商品を10,000円で仕入れたとします。
この商品を利益率20%で売るための売価は、いくらでしょうか?

以下のボックス図にあてはめて考えてみましょう。

 

 利益 20%         ?円

    売価     100%      ?円           

 

             原価 80%       10,000円     

このボックス図で、わかる数字を入れてみましょう。
商品を10,000円で仕入れたのですから、原価は10,000円です。
売値を100%としたとき、利益率は20%で、利益はいくらか?

利益率が20%なので原価率は、以下の計算式から80%になります。

100%-20%=80

まず売値を計算します。

比例式をつかいましょう。

売価をXとします。80%部分が10,000円です。

したがって、
100% :80% = X: 10,000
比例式の内項の積と外項の積は等しいという性質があります。
80 × X100×10,000

0.8X10,000
X= 12,500

売価は12,500円となります。

検算してみましょう。
売価12,500円ー原価10,000=2,500円

2,500÷12,500=0.2  20%です。

以下、検算ボックスになります。

 

     利益 20%     2,500円

    売価 100%  12,500円           

 

     原価 80%    10,000円     

利益率計算のよくある間違いがあります

利益率の計算で、よくある間違いを紹介します。

以下のように売価を計算してしまう人が多くいます。

利益率20%ということで、

仕入金額10,000×20%2,000

2,000円の利益を計算します。

そのあと、原価10,000円に利益2,000円を上乗せし、10,000円+2,000円=12,000

売価を12,000円と計算する典型的な間違いです。

 

 

 

   利益      2,000円 

  売価 100%  12,000円   

 

   原価     10,000円 

これで合っているのでしょうか?
利益率を検算してみましょう。

利益率は売上に対する利益の割合です。

計算式は、

 

利益率=利益÷売上

これを上記の例にあてはめてみます。

2,000÷12,00016.6

利益率20%で売値を計算したはずなのに、検算の結果、利益率は16.6%でした。

利益率とは売上に対する利益の割合です。
原価に対する利益の割合ではないので、注意が必要です。

 

上司からの指示は「利益率20%で売価を決定せよ!」でした。

 

利益率と原価率の違いをしっかり理解していないと、計画よりも少ない利益しか得られない危険があります。
要注意です。

損益計算書によって、会社の利益を知ることができます。

【損益計算書の利益】についてもっと詳しく知りたい人のために、わかりやすい解説をした記事をご用意しました。

こちらをご参照ください。
参考記事

 ↓

原価率とは何か

原価率とは、売価を100%とした場合の原価の割合です。
原価率と利益率の計算は、表裏一体です。
利益率で学んだボックス図をうまく活用しましょう。

原価率(%)=原価÷売価

以下のボックス図では80%です。

 

 

       利益 20%    2,000円

    売価 100% 10,000円           

 

     原価 80%    8,000円     

 

付加率とは何か

利益率や原価率と似て非なるものに「付加率」があります。
ときどき、混乱する人もいますので、紹介しておきます。
これは、原価を基本にした考え方です。
たとえば、原価に20%の利益を付加している、というような表現になります。
マークアップ率ともいいます。

付加利益率(%)=利益÷原価

原価率や利益率は、売価に対する原価や利益の割合を表しています。
これに対し、付加利益率は原価に対する利益の割合を表します。
すなわち付加利益率は原価を基準とします。
その原価にその何%の利益を付加して販売するかをあらわす割合という意味になります。
このため、売価を基準とした指標である原価率や利益率とは異なります。

 【例】 東京商事㈱は、A商品を2,000円で仕入れ、2,200円で販売している。                 
       このときの付加率は、いくらか?

 【解答】

      2,200ー2,000=200  利益は200円です。

      付加率=200円÷2,000円=10%

      付加率は、10%になります。

【速攻チェック 利益率と原価率編】

【問題1】以下の①に入る語句を書きなさい。

                 利益率(%)=       利益     × 100

                  (  ①  )

【問題2】以下の文は、正しいか、それとも間違っているか、〇か、×かで答えなさい。

     利益とは、売価に占める利益の割合である    

【解答1】  ① 売価    【解答2】 〇

利益率と原価率のまとめ

  • 利益率とは、売価に占める利益の割合です。 利益率(%)=利益÷売価
  • 原価率とは、売価を100%とした場合の原価の割合です。  原価率(%)=原価÷売価

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