3分でわかる!固定比率をやさしく解説します
固定資産の比率を知る固定比率について、
商社勤務の実務家がやさしく解説します
固定比率は、会社に占める固定遺産の状態を把握するものです。
これは、会社の過剰な資産の買い入れを防ぐことに役立ちます。
この記事では、初心者でも固定比率が、よくわかるようにやさしく解説していきます。
この記事でわかること
- 固定比率の基本がわかります
- 固定比率の改善方法がわかります
それでは、固定比率について解説していきます。
固定比率とは、固定資産の購入状況を知る経営分析です
固定比率とは、純資産(自己資本)に占める固定資産の割合を示すデータです。
言い換えて表現します。
固定比率とは、固定資産が、どれくらい自己資金で購入されているか、を示すデータです。
具体的には、固定資産が、純資産の範囲内で購入されている。
あるいは、固定資産が、純資産を超えて購入されている、などがわかります。
固定比率が100%を超えれば、純資産(自己資本)を上回る借金で固定資産を購入したことになります。
100%を切っていれば固定資産をすべて純資産(自己資本)で購入した、ことになります。
なお、固定資産とは、土地、建物、備品などです。
固定比率をわかりやすくするために、貸借対照表を図解し、イメージしてみましょう。
貸借対照表の図解
【貸借対照表の図解】
貸借対照表の基本
貸借対照表の資産の部を「流動資産」「固定資産」に分解します
固定比率は、「固定資産」と「純資産(自己資本)」を比較します。
固定比率の計算方法
固定比率は、以下の計算式で算出されます。
固定比率(%)=固定資産÷純資産(自己資本)×100
具体的に固定比率を見ていきましょう。
純資産が2,000円の会社が6,000円の固定資産を所有する場合を考えてみましょう。
自己資本以外の借金4,000万円で、固定資産が購入されていることになります。
固定資産6,000円 > 純資産(自己資本)2,000円
返済できる見込みがあれば別ですが、一般的には危険な状況です。
固定資産は長期的に使用するため、できるだけ返済の必要のない自社の資金である純資産(自己資本)で調達することが経営の安全性につながります。
固定比率が100%を切っていれば、すべての固定資産を自己資本でまかなっています。
つまり、財務状況は比較的健全で、長期的な安定が見込めるといえます。
100%を超えると自己資本以上の固定資産を購入したことになります。
固定資産は、長期間にわたって、使用可能な資産です。
言い換えると、長期間にわたって、収益を生み出す資産ということになります。
当然ながら、購入した固定資産が予想どおりの収益を生み出せば、自己資金でも借入金でも、固定比率が悪化することはありません。
しかし、固定資産の収益が想定よりも下回ると、固定比率が悪化し、会社経営に支障が出ます。
固定比率の図解事例
たとえば、固定資産が1,000万円で、自己資本が2,000万円だったとします。
固定比率は(1,000万円÷2,000万円)×100=50%
この事例では、純資産よりも固定資産が小さく、健全な固定遺産の購入をしていると判断できます。
では、逆に、固定資産が2,000万円で、自己資本が1,000万円だった場合はどうでしょう。
固定比率は(2,000万円÷1,000万円)×100=200%
純資産を大きく超える固定資産を購入していることがわかります。
図解して、視覚で確認するとてもわかりやすくなります。
しかし、会社に借金があるのは当然です。
借金の存在が、安全性に疑問符がつくわけではありません。
このため、固定比率に加えて、「固定長期適合率」というデータもあります。
【固定長期適合率】についてもっと詳しく知りたい人のために、わかりやすい解説をした記事をご用意しました。
こちらをご参照ください。
参考記事
↓
【資産】について、わかりやすく解説した記事を用意しました。
こちらをご参照ください。
参考記事
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固定比率のまとめ
- 固定比率とは、純資産(自己資本)に占める固定資産の割合を示すデータです。
- 固定比率の計算式 固定比率(%)=固定資産÷純資産(自己資本)×100