3分でわかる!固定長期適合比率をやさしく解説します

固定長期適合比率について、
商社勤務の実務家がやさしく解説します

固定長期適合比率は、会社に占める固定遺産の状態を把握するものです。
これは、固定比率を補う経営分析になります。


この記事では、初心者でも固定長期適合比率が、よくわかるようにやさしく解説していきます。

この記事でわかること

  • 固定長期適合比率の基本がわかります
  • 固定長期適合比率を図解で理解することができます

それでは、固定長期適合比率について解説していきます。

固定長期適合比率とは何か

固定長期適合比率とは、会社が所有する固定資産が、長期資金である固定負債+純資産(自己資本)で、どの程度まかなわれているのか、を示すデータです。

長期資金とは、ざっくり説明すれば、返済期間が長い借金、返済不要の自己資金のことです。

固定比率は、固定資産と純資産との比較で考えました。
これに対し、固定長期適合率は、純資産に固定負債を加えて比較する考え方です。 

なお、固定負債は、支払期限が1年以上ある負債のことです。

設備投資をするにあたって、銀行から借り入れた長期借入金などがこれにあたります。

つまり、借金のうち、短期的に返済の義務がない。
したがって長期的に返済する固定負債であれば、経営の安全性に影響を与えない、と考えるわけです。
長期借入金は、その代表的な項目になります。

固定比率が100%を大きく超えても、固定長期適合率が100%を下回っていれば、財務状況は安全と判断できます。

           【貸借対照表図解】

                       貸借対照表の基本

         さらに詳しく貸借対照表を知る
         資産を流動資産と固定資産に分割、負債を流動負債と固定負債に分割する 

固定資産と固定負債+純資産(自己資本)を比較します。

固定長期適合率は、次の計算式で求められます。

固定長期適合率(%)=固定資産÷(自己資本+固定負債)×100

固定比率が、100%を大幅に超えるようであれば、固定長期適合率を計算してみましょう。
固定比率が100%を超えていても、固定長期適合率が100%を切っていればほぼ問題はありません。
この2つを合わせて確認・分析します。
そうすることで、その会社が長期にわたって健全な経営を維持していくことができるかどうか、
客観的に正しい判断をすることができます。

固定長期適合比率の計算図解事例

たとえば、固定資産が1,000円で、固定負債 500円、純資産(自己資本)が1,500円だった。

固定比率は(1,000円÷2,000円)×10050%

 

逆に、固定資産が2,000円で、固定負債 300円、純資産(自己資本)が800円だった。
固定比率は(2,000円÷1,000円)×100200%

 図解して、視覚で確認するとてもわかりやすくなります。

【固定比率】についてもっと詳しく知りたい人のために、わかりやすい解説をした記事をご用意しました。

こちらをご参照ください。
参考記事

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【資産】と【負債】について、わかりやすく解説した記事をご用意しました。
こちらをご参照ください。
参考記事
 ↓

 

固定長期適合比率のまとめ

  • 固定長期適合比率は、固定比率をおぎなう経営分析です
  • 固定長期適合比率の計算式は、 固定長期適合比率(%)= 固定資産÷(自己資本+固定負債)×100

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