3分でわかる!流動比率をわかりやすく解説します

流動比率について、本を出版している著者がやさしく解説します

流動比率は、経営分析でも基本中の基本になります。
これは、会社のお金の状況を知る経営分析です。
つまり、会社に十分なお金があるのか?それともお金がないのか?

これらのことを知る経営分析です。


この記事では、初心者でも流動比率が、よくわかるようにやさしく解説していきます。

この記事でわかること

  • 流動比率の基本がわかります
  • 当座比率の基本がわかります

著者

伊達敦が、流動比率をわかりやすく解説します。
・商社勤務20年の実務家です
・出版した決算書関連のビジネス書は、海外でも翻訳されています
主な著書「まだ若手社員といわれているうちに知っておきたい会社の数字」
 講談社刊
・中小企業研修協会&中小企業コンサルティング事務所代表

それでは、流動比率について解説していきます。

流動比率で、会社の支払能力がわかります


流動比率とは、流動資産と流動負債を比較し、会社の支払能力を判断する経営分析です。

すなわち、流動比率で、会社の支払能力である運転資金の安定度が分かります。
運転資金とは、日々の会社を動かすための資金と考えて下さい。
社員の給与の支払いやオフィス賃借料の支払いなどは、運転資金から支払われることになります。

わかりやすいイメージで考えてみましょう。
あなたが、お金を貸す、貸金業を行っていると仮定しましょう。
このとき、あなたは、お金を返す見込みのないお客さんにお金を貸しますか?

当たり前ですが、貸しませんよね。

事業である以上、お金を返す見込みのないお客さんにお金を貸すわけにはいかないのです。
会社の支払能力を知ることは、とても大事なのです。

さらにわかりやすいイメージをもう一つ紹介します。

会社から毎月のお給料が、もらえなくなったら大変です。
多くのサラリーマンは、毎月のお給料から食費や家賃などの生活費を支払っているからです。
支払能力が、十分でないとお金にかかわるさまざまなことで、支障が出てきます。

会社も同じです。
会社の支払能力が、十分でないと取引先に迷惑をかけてしまいます。
たとえば、支払手形が決済できない。あるいは、給料が払えない、などです。
会社の支払能力を知る代表的な経営分析が「流動比率」です。
これは、流動資産と流動負債を比較分析する方法です。

流動比率(%)=(流動資産÷流動負債)×100

流動資産は、現金化しやすい資産です。流動負債は、すぐに支払うべき借金です。

この「流動資産」と「流動負債」を比較します。
支払能力が「十分なのか」「不足か」が、運転資金の安定度わかります。

流動比率を具体的な事例で考える

流動比率を具体例でみてみましょう。

    A社とB社の貸借対照表は、つぎのとおりです。     (単位:百万円)

会社名/項目

流動資産

流動負債

A社

2000

1000

B社

1000

3000

A社は、流動資産2000百万円に対して、流動負債は、1000百万円です。
かりに流動資産を現金化し、すぐに返済すべき借金である流動負債1000百万円を返済します。
それでも、さらに1000百万円の余裕資金があります。

A社の流動比率は、2000/1000=200(%)

支払能力の高さが数字からもわかります。
B社は、すぐに返済すべき借金である流動負債が3000百万円です。
これに対して、すぐに現金化できる流動資産が、1000百万円しかないわけです。
すなわち、B社の支払能力は、問題あり、と断言できるでしょう。

B社の流動比率は、1000/3000=33(%)

支払能力が、大きく不足していることがわかります。
支払能力がわかれば、取引会社の「与信管理」を知るうえからも有意義です。

支払能力をイメージすると次のようになります。

資金に余裕のある会社

                                                            資金に余裕のある会社

                                                               流動資産>流動負債

  流動資産 

  
   流動負債

     

    余裕資金

資金不足の会社

                                                              資金不足の会社

                                                             流動資産<流動負債

     流動資産

    
       流動負債

      資金不足

流動比率の理想的な比率

ふつう、流動比率の理想とする数値は、200%と説明されます。
つまり、流動負債の2倍の流動資産があれば、支払能力としては、十分というわけです。
しかし、一部の優良な大企業ならともかく、中小企業の数値を調べてみるとこの数値は高すぎるようです。
130%〜150%を目標数値とするのが、現実的なところでしょう。

当座比率とは、さらに厳しく会社の支払能力を知る経営分析


当座比率とは、当座資産と流動比率を比較し、会社の支払能力を知る経営分析です。

当座比率は、流動比率よりもさらに厳しい視点で経営分析する方法です。

これは、流動資産のうちから「棚卸資産」を差し引いた「当座資産」と流動負債を比較する方法です。流動資産−棚卸資産=当座資産

以下のような計算式で求められます。

 当座比率(%)=(当座資産÷流動資産)×100

棚卸資産というのは、「商品在庫」のことです。
つまり、売れ残っている商品です。
ですから、必ずしも売れて、現金化できるとは限らないわけです。
むしろ、不良在庫になる可能性があります。
この点を考え、より厳しく、会社の支払能力を考えるときは、当座比率による経営分析を活用します。

中小企業庁から公表されている業界データは、つぎのとおりです。

項目/業界 全産業 建設業 製造業 卸売業 小売業
当座比率(%) 102.2 99.8 117.2 111.9 82.2

正味運転資金とは何か わかりやすく解説

正味運転資金とは、単純な引き算をつかって、会社の運転資金をみるものです。

計算式は、『正味運転資金=流動資産−流動負債』となります。
流動比率が、バランスをみる経営分析なら、正味運転資金は、お金という実数でみる経営分析です。
実際の経営分析は、流動比率と正味運転資金の2つの視点で考えるのよいでしょう。
なお、正味運転資金は、マイナスなら資金不足であり、早急な資金補充、対策が必要になります。

流動比率のまとめ

  • 流動比率とは、会社の支払能力を知る経営分析です
  • 流動比率の計算式は  流動比率(%)=流動資産÷流動負債  です。
  • より厳しく会社の支払能力を知るのなら 当座比率があります。
  • 当座比率の計算式は   当座比率(%)=当座資産÷流動負債  です。